在日基地の強化が必要 米下院中国特別委が提言書 「台湾有事」想定分析で


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 【ワシントン共同】米下院の中国共産党に関する特別委員会は24日、台湾海峡の平和と安定の維持に関する政策提言書を公表した。軍事専門家の意見や台湾有事のシミュレーション結果を踏まえて、中国軍の攻撃に備えて日本や米領グアムにある米軍基地の強化が必要だと指摘した。インド太平洋地域への長距離ミサイルや無人機の配備増強も不可欠だと訴えた。

 1月の特別委設置後、提言書をまとめたのは初めてで、少数民族ウイグル族へのジェノサイド(大量虐殺)に関する政策提言書も公表した。公聴会で聴取した専門家らの証言を基に「中国共産党による凶行は続いている」と強調し、関係者への制裁強化を求めた。

 ギャラガー委員長は、中国共産党による攻勢に対抗するため「超党派で提言を打ち出すことができた」と記者団に語った。「同盟国との連携も重要なテーマだ」と述べ、日本やオーストラリアなどの関係者とも意見交換していくとした。

 台湾に関する提言書は、2027年を想定した中国軍による台湾侵攻をシミュレーションしたところ、中国軍は日本やグアムの米軍基地に先制攻撃を仕掛けたと説明した。ダメージを軽減するために米軍の部隊を分散配置し、基地の防御を強化するよう求めた。

 米軍の精密誘導ミサイルの在庫は1週間以内に払底したとして、ミサイルの増産と備蓄が急務だと指摘した。極超音速兵器の配備も加速させるべきだとした。

 対中経済制裁を協調して実施するため、同盟国と連携を高めておくことが重要だと強調した。米軍と台湾軍の共同訓練を強化し、台湾への兵器提供も急ぐ必要があるとした。