陸自が実弾射撃ネット中継 島しょ防衛を想定、富士総合火力演習


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実弾を発射する陸上自衛隊の74式戦車=27日、静岡県の東富士演習場

 【静岡で明真南斗】陸上自衛隊が実弾を用いる国内最大の演習「2023年度富士総合火力演習」が27日、静岡県の東富士演習場で行われた。22年度に続き島しょ防衛を想定した。いったん敵に上陸・占拠された後に他の地域から部隊が来援して奪い返す場面もあった。使用弾薬量は約57トン、約10億7千万円分。今回から一般公開を取りやめてインターネットで中継した。陸自富士学校の学生らが見学した。

 偵察部隊や即応機動部隊が島しょ部に展開し、向かってくる艦艇に射撃したり、相手のミサイルを迎撃したりした。有事に南西諸島へ展開が想定される16式機動戦闘車(MCV)も登場。相手の情報を収集しながら実弾を射撃した。

 また、島しょの一部を占拠された場面も想定。奪還に向けてオスプレイや水陸機動団の水陸両用車による上陸の様子を組み込んだ。その後、他の地域から機動師団が追加され、各種戦車で一斉に射撃した。

 演習では小型無人機やネットワーク電子戦システムも稼働した。米海兵隊や陸軍による射撃も映像で紹介された。

 夜間には暗視装置や戦場照明を使った射撃を実施した。