決めた!大技 パルクール世界大会切符 那覇出身・上原さんが海外デビュー戦飾る


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大会1日目の競技でひねり技を見せる上原貴博さん=20日、米・カリフォルニア

 那覇市出身の上原貴博さん(23)が米・カリフォルニア州で20~21日(現地時間)に開催された、障害物を跳び越えるパルクール大会のフリースタイル部門で優勝した。

 海外デビュー戦での快挙で、8月にカナダのバンクーバーで予定される世界大会への出場権を獲得した。

 国外の選手と交流し、互いをたたえながら競技に挑めたことで「海外のパルクール文化を国内に輸入できる存在になりたい」との思いを強くした上原さん。世界大会での優勝をつかむべく今日も練習に励む。

 上原さんが出場したのは、世界規模のスポーツ・パルクール・リーグ2西海岸予選大会で、スピード、スキル、フリースタイル(通称スタイル)の3部門で争われた。各部門の上位3人が8月17日~20日に実施される世界大会の出場権を得た。

 上原さんが出場したスタイルには各国から約20人が出場。コース内で宙返りなどの技を組み合わせて競技し、2日間の合計得点を競い合った。

スポーツ・パルクール・リーグ2で優勝し、アメリカの選手と喜ぶ上原貴博さん(右)=21日、米・カリフォルニア

 上原さんは1日目の競技中盤、軸足と逆の足で踏み切りバック宙して3回ひねりをする高難易度の「タック・トリプル・フル」を成功させた。この技を成功させたのは大会史上2人目で、いくつかの技をつないだ上で中盤に成功させたのは上原さんが初めて。「この技を行うことは本番までひた隠しにしていた。不安はあったが一発成功し、会場が沸いてうれしかった」と当時の興奮を振り返る。

 首位で迎えた2日目には「(上原さんに)パワーをもらった」という他の選手が新しい技を出し点差を詰めてきたが、落ち着きを見せた上原さんは後続を僅差でしのぎ、優勝を譲らなかった。

 今月に入ってすでに国内で2大会に出場してきたが思うように成績は出なかった。本大会での勝因は「うまくいかない理由をひたすら考え、自分に足りない部分を研究し試行錯誤してきたこと」とし、「今後につながる成功体験となった」と成果を語った。 (西田悠)