辺野古騒音10年で3.3倍 名護市測定 米軍演習に起因


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 【名護】米軍に起因する騒音を把握するため名護市が実施している航空機等騒音測定で、2022年度の市内7カ所の騒音(63デシベル以上)の発生回数が合計1万1639回に上り、10年で2.62倍(12年度比)に増加していることが28日までに分かった。最も多い久志では2.75倍(同)の2726回、最も増加率が高い辺野古では3.31倍(同)の2088回だった。米軍機の演習によるとみられ、市は国に改善を求めている。

 米軍キャンプ・シュワブを抱える辺野古周辺ではオスプレイを含む米軍機の低空飛行と離着陸が続いている。市によると、夜間(午後10時から翌朝7時まで)の航空機騒音の発生日数が22年度は市内で53日に達し、22年12月7日には41回の夜間騒音を記録した。

辺野古住宅地上空を飛行するオスプレイ=2021年2月2日午前10時36分、名護市辺野古(大城敬人さん提供)

 市は10年10月から7カ所(許田、幸喜、辺野古、豊原、久志、瀬嵩、安部)に航空機等騒音測定装置を設置し、20年度に市街地の1カ所(港)を追加した。市が公表したデータによると、年間の統計が出そろった12年度は7カ所の騒音発生回数が計4441回だったのに対し、22年度は8カ所で計1万2014回となった。

 市は廃弾処理による騒音も測定しており、これらが米軍基地に起因しているとして、渡具知武豊市長が24日上京し、辺野古の国立沖縄工業高専に近接する離着陸帯の撤去を改めて国に求めた。

 一方、市内の市民団体は航空機騒音の実態について小中学校のアンケート調査を実施するよう、市教育委員会に要請している。 (増田健太)