サッカー日本フットボールリーグ(JFL)の沖縄SVは28日、南風原町黄金森公園陸上競技場でミネベアミツミFC(宮崎)と対戦し、1―0で勝利した。今季2勝目。通算成績は2勝5敗1分け。勝ち点7。
前半は相手に主導権を握られたが、失点につながる決定的な場面はなかった。後半は次第にペースを握ると31分、冨久田和真の右クロスを山田雄太が頭で合わせて先制点を奪った。最終盤に猛攻を仕掛けられたが、最後は全員一体の守備で守って逃げ切った。次戦は6月3日、愛知県のマルヤス岡崎龍北スタジアムでFCマルヤス岡崎と対戦する。
沖縄SVはサポーターが後押しするホーム戦で念願の今季2勝目となった。組織的プレーが浸透し始め、充実した試合内容で自然にたどり着いた結果だった。
ここ数試合でチームを活性化させているのが、23歳の佐田正舟と22歳の冨久田和真。ドリブルの技術がさえる佐田は「縦パスやゴールに向かうプレーで、相手守備を崩していきたい」と前への推進力を意識したプレーを心掛ける。冨久田は「出場機会が増え、自信を持ってプレーできている」と佐田と相性抜群のパスワークでチームを支える。
監督兼選手の髙原直泰はスタメンで後半34分まで出場。自身がピッチに立つのは「チームの戦術理解度を深めていく意味もある」とし、手本となる動きで鼓舞した。前からのプレスを先に仕掛け、他の2人目、3人目の選手と連動しながら相手に圧を掛け続けた。髙原が足を止める場面はほとんどなく、若手選手にとっても発奮材料となった。
後半に先制点を奪い、虎の子の1点を最後まで守って粘り勝ち。髙原は「守備の強度が課題だったが戦術理解が深まり、大きな1勝になった。トライしてきた方向性は間違っていなかった」と確かな手応えと自信を手に上昇気流を目指す。
(大城三太)
戦えるベース整った
髙原直泰監督(沖縄SV)の話 4月30日のソニー仙台戦から先発メンバーを変え、チームとして変化の兆しがあった。JFLで戦えるベースがようやく整ったかなという感じ。各チームともあまり差はなく、隙や甘さからの失点で負けていた。この1勝は大きい。
相手の良さが出た
宮路洋輔監督(ミネベアミツミ)の話 相手の良さが出た試合で、勝ちたいという気持ちも相手が上回っていた。われわれは失点してからのゲーム運びで足りない部分があった。沖縄SVは劣勢でもベテランが引っ張り、若手と融合し始めていると感じた。