県の会議に2歳の子を連れて参加 社会教育委員・仲村さん、初の事例 担当者「子育て世代の社会参画に」


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県教育委員会主催の会議に子連れで出席する仲村優香さん=24日、県庁(県教委提供)

 4月末に開かれた県社会教育委員の会議に、委員の仲村優香さん(33)が2歳の娘、花音(かのん)ちゃんと一緒に出席した。県教育委員会によると、県教委主催の会議に出席者が子連れで参加するのは初めて。県教委の担当者は「子育て中の親も安心して活躍できる環境を増やしたい」と話した。

 仲村さんは、子育てに役立つフリーマガジンの発行などを行うNPO法人たいようのえくぼの代表理事。今年4月に、県社会教育委員に任命された。

 フリーマガジンに掲載する記事の取材や、企業への営業にも花音ちゃんを連れて行くことがある。「今回娘を連れて会議に出席したことは、別に子育てしやすい環境づくりを訴えたかったわけではない。仕事を優先しすぎて子どもに我慢ばかりさせるのはよくないかな、と思った」

 ただ一方で「県の大事な会議。連れて行くのは少しためらった」という。「失礼かなと不安があった。事前に担当者におうかがいを立てると、すぐに『どうぞ』と言ってくれた。私は安心したけど、逆に県は不安だったんじゃないかな」と苦笑いした。

県教育委員会主催の会議に、2歳の娘花音ちゃん(右)と一緒に参加した仲村優香さん=24日、本島南部の自宅

 一方、県教委担当者は「子育て中の保護者の社会参画について、理解を深めるよい機会だと思った」と笑顔を見せた。「ただ今回は、娘さんにとってとても窮屈だったと思う。子どもが過ごしやすいような環境づくりも考えなければいけない」と、より充実を図る考えも示した。

 仲村さんは「県が受け入れてくれたことはとてもうれしい。子育て中の親が社会に関わることについて、何かいい空気が生まれるといいな」と期待を込めた。

(嘉数陽)