喜屋武岬の休憩所にグッドデザイン賞 三角の壁で表現したことは? 沖縄・スタジオジャグが設計


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グッドデザイン賞を受賞した喜屋武岬園地休憩所(studio jag提供)

 沖縄県糸満市喜屋武の喜屋武岬園地休憩所がこのほど、2022年グッドデザイン賞を受賞した。設計を担当した浦添市の1級建築士事務所「studio jag(スタジオジャグ)」代表の久志直輝さん(47)、デザインを担当した國定義弘さん(34)とともに、発注者の県も受賞し、29日に県庁で受領式が行われた。

 沖縄戦跡国定公園内の海岸にある休憩所は、平和の尊さに向き合いつつ、美しい景観を眺める展望施設として21年6月に完成した。

 祈りの形「合掌」を三角の壁で表現し、訪れる人に祈りの方向を示すように設計された。隣接する慰霊碑「平和の塔」からの直線上に三角の壁の開口部を配置するなど動線を工夫し、審査委員から「シンプルな形態や無理のない構造などが、平和への祈願と景観の眺望を両立させている」と評価された。

休憩所のデザインを担当したstudio jagの國定義弘さん(写真左)、と久志直輝代表(同中央)、多良間一弘県環境部長=29日、那覇市泉崎の県庁

 國定さんは「ストーリーや動線を考え、みんなで議論して形にできた」と受賞を喜んだ。

 多良間一弘県環境部長は「受賞を機に休憩所が広く県民や観光客に認知されてほしい」と話した。休憩所の紹介板は、日本サインデザイン賞も受賞した。

(慶田城七瀬)