<ひと>Bリーグ初優勝したキングス監督の桶谷大さん バスケで沖縄を元気に


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 南国の強豪クラブに、悲願だったBリーグでの初タイトルをもたらした。「沖縄にトロフィーを持って帰ることがすごくうれしい」。優勝インタビューでは万感の思いを言葉に込めた。

 京都市出身。父良さんが府立高校のバスケットボール部の指導者だったことから「おもちゃをもらうよりも前に、ボールで遊んでいた」と言い、中学で部活に入った。だが、1年夏に腎臓病のネフローゼ症候群を発症。京都・朱雀高時代も入退院を繰り返し「病気と一緒に青春時代を過ごした」と振り返る。

 転機となったのが卒業後の米留学。病気の再発で選手は断念せざるを得なかったが、アリゾナ州立大で学生マネジャーをする傍らコーチングを学び、帰国後に指導者の道へと進んだ。

 1度目の琉球監督就任がbjリーグ時代の2008年。前シーズンに地区最下位だったチームを引き受けると「バスケは時間の中で勝敗を争う。時間を甘く見ている人は時間に負ける」と選手の生活面から正した。プレーでは個人技頼みだったチームに規律を注入。就任1季目で即優勝に導き「道が開けた」という。

 他クラブでも指揮を執り、昨季10季ぶりに琉球の監督に復帰。クラブの新たな歴史を築いた。原動力は「(トップレベルでの)選手経験がなくても、コーチで成功できると証明しないといけない」との思いだ。熱狂的な沖縄のファンへの感謝の念も強く「地域に根ざし、バスケを通して、沖縄を元気にする」と誓う。妻と1男1女。45歳。

(共同通信)