台風でダメになる前に… トルコキキョウを無償配布 生育中に収穫 沖縄・八重瀬のセカビファーム


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トルコキキョウを配布するセカビファームの金城健太代表(左)とテシオの嶺井大地代表=5月31日、沖縄市

 台風の影響で、八重瀬町のフラワーファーム「SEKABI FARM(セカビファーム)」は、生育途中のトルコキキョウを刈り取らざるを得なくなった。卸売市場には売れないが、有効に使ってもらおうと公共施設や団体などに無償で配る予定だ。金城健太代表は「飾って楽しんでもらいたい」と話す。

 八重瀬町のビニールハウスは5月30日までに屋根を取り外し、千本以上の花を刈り取った。例年、出荷は4~5月に最盛期を迎え、6月中旬まで続くが、「早く台風が来て予想外だった」と金城代表。収穫が間に合わなかった約5千本は台風で駄目になる。

 金城代表がこの状況を交流サイト(SNS)に投稿すると、自家製ハム・ソーセージ専門店「TESIO(テシオ)」(沖縄市)を営む友人の嶺井大地代表から「長い時間をかけて育てたものを無にしてほしくない」と連絡があった。今後、2人で役場や保育園、嶺井さんとつながりがある店舗に花を無償で寄贈する予定だ。

 これまでテシオは、店舗内で花を直売するポップアップストアを開くなど農家を応援するイベントを開催してきた。「生産者に花を買った人の笑顔を見てもらう」という目的に加え直売で生産者の収益率を高める意図がある。嶺井さんは「きれいな花を飾って農家さんの素晴らしい仕事ぶりを知ってほしい」と話した。
 (古川峻)