【宮古・八重山】北朝鮮による2回目の人工衛星発射に備え、防衛省は2日午後、沖縄県の先島諸島で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開した。石垣市では自衛隊駐屯地外の市南ぬ浜町の新港地区に設置した。北朝鮮は5月31日から6月11日に人工衛星を発射すると通告し、31日早朝に打ち上げたが失敗。可能な限り早期に2回目の発射をするとしている。
1回目の発射時、先島地方には台風2号が接近していたため、防衛省は宮古、石垣、与那国の各駐屯地でPAC3の即応態勢を取っていなかった。台風が先島地方から遠ざかったことを受け、2日に展開を開始した。
石垣市の新港地区でのPAC3展開は2012年4月と12月、16年の2月に続き4回目。
2日正午前、自衛隊車両が新港地区に到着。台風時の安全確保で地区内に工事資材を置いていた建設会社は資材を運び出すことができず、作業を中断せざるをえなかった。午後1時45分ごろからPAC3の発射機を載せた車両などが続々と新港地区内に入り、発射口が上空に向けられた。
地元の港湾業者は、民間船舶が出入りし、ガソリンなどの貯蔵施設もあることなどから、港湾へ配備しないよう市に求めていた。港湾業者関係者は2日、「台風明けでこれから物資を運ぶ船が入ってくる。万が一何かあったらどうするのか。港への設置はやめてほしい」と改めて配備反対の思いをにじませた。
宮古島市の航空自衛隊宮古島分屯地では、2日正午までにPAC3の発射機が分屯地内の高台に設置され、発射口が上空に向けられた。4月27日までに同じ場所に設置されたが、5月30日までに別の場所に移動していた。関係者によると、台風接近に伴い、発射台を畳んでいたという。
与那国町でも台風時は畳まれていたが、関係者によると2日、与那国駐屯地内で展開された。
(照屋大哲、友寄開、明真南斗)