与那国島に初の薬局「ばんた薬局」 日本最西端 店長「さまざまな相談、町民の役に立てたら」


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与那国町初の薬局「ばんた薬局」に薬剤師として勤務する(左から)神野雅俊さんと神野みねこさん=5月16日、与那国町

 【与那国】日本最西端のまち与那国町でこのほど、初めての薬局「ばんた薬局」が開局した。これまで与那国診療所の院内薬局で看護師が調剤業務を担っていたが、院外に薬局ができたことで「医薬分業」が可能となった。町民からも歓迎の声が上がっているという。島に常駐する2人の薬剤師、神野雅俊さん(39)と神野みねこさん(39)は「島に溶け込み、島民が気軽に来られて、互いに困った時に助け合えるような薬局になっていけたら」と意気込んでいる。

 へき地や離島で薬局の設置などを手がけるI&H社(阪神調剤グループ)が運営している。同社は与那国診療所から薬局設置に関する問い合わせを受け、昨年2月から開局に向けた協議を始めた。その後、薬事法上の規則や保健所の審査をクリアし、今年4月3日に開局した。

 薬局が開業したことにより、これまで調剤業務をしていた看護師の業務負担が軽減された。薬剤師が常駐していることで患者の服薬管理ができ、住民も時間にゆとりを持って説明を聞くことができるようになった。

 開局以来、高齢者を中心に1日あたり20人ほどの町民が薬を受け取りに来る。石垣島や沖縄本島の医療機関で処方された薬を受け取ることもできる。

 初代店長となった雅俊さんは「町民が温かく、自然も多くて暮らしやすい。薬だけでなく、さまざまな相談ごとなど、町民の役に立てたらいいなと思う」と語った。
 (照屋大哲)