県内12歳児虫歯54% 16年連続ワースト 未処置も多く


社会
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虫歯(イメージ)

 6月4日は虫歯予防デー。沖縄県保健医療部健康長寿課がこのほど発表した2021年度の県の歯科口腔保健の現状によると、県内の12歳児虫歯有病者率は、全国平均より25.7ポイント高い54.0%で、全国ワーストとなった。2006年の調査開始以降、16年連続で全国ワーストが継続していることを受け、改善を求める声が上がる。

 宜野湾市のはごろもファミリー歯科の神下太一医師は、有病者率の高い背景にひとり親家庭やきょうだいの多い家庭を挙げる。貧困で栄養が偏る一方で「親が子の口腔環境を気に掛ける余裕がない」と指摘する。

 12歳児1人平均虫歯数でも、全国平均の0.6本に対し、1本多い1.6本となった。1歳6カ月時点の虫歯有病者率は1.4%(全国平均0.8%)だが、3歳児は18.9%(同10.2%)と、年齢を重ねるごとに全国平均との差が開いている。

 虫歯の未処置割合が高いことも問題視されている。年齢別虫歯未処置歯のある子ども(5歳~17歳)の割合は、全ての年齢で全国平均よりも高い結果が得られた。17歳は、全国平均の17.5%より19.6ポイント高い37.1%だった。

 この結果を受け、県は8日からは歯と口の健康づくりに関する相談窓口「歯っぴ~センター(沖縄県口腔保健支援センター)」を設置し、電話相談や無料の出前講座を行う。

 県の担当者は「治療を受けてもらうことも大切だが、予防が大切だ。歯っぴ~センターなどの活動を通して、県民の健康づくりに取り組む」と話した。
 (與那覇智早)