済州側、沖縄戦の6.23追悼式出席へ 関係者 平和交流に意欲


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4・3事件の犠牲者を追悼する照屋義実副知事(左から二人目)ら=3日、済州特別自治道

 【韓国・済州島で知念征尚】照屋義実沖縄県副知事が3日に訪れた「済州4・3平和公園」は、朝鮮半島の分断に抵抗した済州島の島民らが虐殺された歴史を記憶し、二度と悲惨な事件を繰り返さないことを誓うために2008年に整備された。照屋副知事を案内した済州島側の関係者は「悲惨な歴史を繰り返さないためにも、交流を深めたい」として6月23日に糸満市摩文仁の平和祈念公園で執り行われる全戦没者追悼式に出席する考えを示した。 

 高喜範(コヒボム)済州4・3平和財団理事長は「沖縄に兄弟愛のようなものを感じる」とした上で「交流を通じて互いを理解し、痛みを乗り越え、平和と人権共存のネットワークをつくりたい」と沖縄との関係深化に意欲を示した。照屋副知事も「平和を求める輪を広げたい」と地域外交に取り組む決意を新たにした。

 4・3事件は軍事政権下で長い間、遺族間でも語ることがタブーだった。現在、事件を正当化するような動きも出てきており、緊張は続く。遺族会の金昌範会長は「社会、経済的に難しい生活を強いられた」と話した。

 4・3平和公園の記帳台に立った照屋副知事は「この事件を教訓として、今の世紀の人たちが誠実に学び、希望のともしびを掲げて平和へ向けて前進していくことを切に祈る」とのメッセージを書き込んだ。
 
副知事は3日、済州国際クルーズターミナルや、済州民族自然史博物館も視察した。4日に帰路に就く。