沖縄戦などで犠牲になった24万人余りの名前を読み上げる、沖縄「平和の礎」名前を読み上げる集い(主催・同実行委員会)で、朝鮮半島出身の刻銘者の読み上げが5日、那覇市のなは市民協働プラザで行われた。沖縄在住の朝鮮人や韓国人、韓国語を学ぶ学生ら7人が、糸満市摩文仁の平和の礎に刻まれた463人の名前を読み上げた。
朝鮮半島出身者の名前の読み上げは昨年に続き2回目。この日は、那覇市の会場と名桜大学などをつないで実施した。参加者らは亡くなった一人一人に思いをはせながらハングルで名前を読み上げた。
韓国留学をきっかけに参加した琉球大4年の名嘉村美南さん(25)は「普段は戦争について考える機会はなかなかないが、いい経験になった」と話した。
2回目の参加となった金賢玉(キムヒョノク)さん(80)は、日本の植民地時代の創氏改名の歴史などに触れ、「まだここに刻銘されていない人々の名前を取り戻していきたい」と感想を語った。韓国出身の南成珍(ナムソンチン)さん(53)は「彼らの名前を読むことで、われわれの中で平和の意味となって生き続ける」と話した。
(座波幸代)