琉球人遺骨の情報開示訴訟、9月28日に判決 沖縄県教委が一部黒塗り


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那覇地裁

 戦前、研究目的で今帰仁村の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」などから持ち出された遺骨の返還を求める団体「ニライ・カナイぬ会」が、関連文書の一部を県教育委員会が黒塗りで開示したとして県に不開示処分の取り消しなどを求めた訴訟は6日、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)で結審した。判決は9月28日。

 6日の口頭弁論では、同会の仲村涼子共同代表の意見陳述を亀谷正子共同代表が代読。「全ての琉球人が心穏やかに先祖を拝み交流できるよう、教育委員会は遺骨に関する情報を開示し、説明をする義務がある」と訴えた。

 県側は昨年10月、台湾大から県教委に遺骨が移管された際に作成された「移管台帳」について、当初は黒塗りだった遺骨の性別や番号などを部分開示することを通知。収集場所の黒塗りについては「確認の不十分な情報を公開することは、誤解を招くおそれがある」などと主張している。

 原告側代理人の三宅千晶弁護士は「被告の主張は抽象的な可能性を積み重ねたものにすぎない」などと反論した。原告側は1日、訴訟の記録の特別保存認定を求める要望書を那覇地裁へ提出した。