キングスが有力視される「新B1」 アリーナ、入場者数、売上高…厳選チームで目指す「プレミアな世界観」


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Bリーグ準決勝第2戦の横浜BC戦で3点シュートを放つ琉球の岸本(右)=5月、沖縄アリーナ((C)B.LEAGUE)

 バスケットボールのBリーグは米プロNBAに次ぐ「世界第2位のリーグ」を目指し、2026年に新たなトップカテゴリー「新B1」を創設する。参入できるのは「アリーナ」「入場者数」「売上高」の厳しい基準をクリアしたクラブだけ。競技成績は関係なく「経営力」で評価される点がポイントで、22~23年シーズンの実績も審査対象となる。

 現B1で成功を収めているクラブの代表格が琉球。約8千人収容の沖縄アリーナが21年に完成し、22~23年レギュラーシーズンの平均入場者数はリーグトップの6823人、21~22年シーズンの売上高は同2位の19億円超を記録した。新B1は、こうした人気、資金力、充実した施設の三つを兼ね備えた有力クラブが切磋琢磨(せっさたくま)し、成長し続けるリーグを想定。島田慎二チェアマンは「プレミアな世界観をつくる」と話す。

 参入の絶対要件が、5千人以上収容でVIP席などのあるアリーナの確保で、28~29年シーズンまでの使用開始を保証する必要がある。その上で「平均入場者数4千人」「売上高12億円」の両条件を22~23年シーズンから2季連続で達成したクラブがまず審査を通過。次いで23~24年シーズンのみ両条件を満たしたクラブ、平均入場者数3千人など一部緩和された基準をクリアしたクラブの順に、原則18クラブまで参入可能だ。

 22~23年シーズンの売上高は公表前のため、21~22年シーズンの実績を参考に予想すると、現時点で3条件全てをクリアできそうなのは琉球、A東京、川崎、千葉J。

 優勝2度の宇都宮はアリーナ計画が具体化しておらず、かつての強豪、三河は入場者数が3千人未満と集客が課題だ。

 初年度の参入可否は24年秋に判断される予定で、多くのクラブは23~24年シーズンが正念場となる。ある中堅クラブの幹部は基準達成は容易ではないとしつつ「目指すところが明確に見えた」と改革に賛同。将来的に「『このリーグはすごい』と世界的に見ても価値が出てくることもあり得る」と期待を寄せた。
(共同通信)