沖縄県はこのほど、老朽化が激しい県立精和病院(南風原町)を近隣の県立南部医療センター・こども医療センター(同)の敷地内へ移転・統合を検討する構想案を策定し、5月12日に開催された検討委員会で了承を得た。今月30日まで募集しているパブリックコメントの内容などを踏まえて7月中に構想を決定、本年度内に基本計画を策定する。早ければ2027年度に新病棟が完成する見込みだ。
病院の移転・統合後も現行の休日・夜間救急医療体制は継続するが、国の基準を基に病床数を現在の250床から150床に減らす。代わりに、精神疾患と身体疾患を併せ持つ精神身体合併症への対応を強化する方針だ。移転・統合が実現すれば、南部医療センター・こども医療センターの病床数は県内最大規模の約580床となる。
精和病院は現在築37年が経過し、建物の老朽化や病室内の備品不足など精神科医療の機能充実を図ることが難しくなっている。加えて2012年に同病院の立地場所が土砂災害警戒区域に指定されたことから移転・統合が検討されていた。
(梅田正覚、與那原采恵)