迷惑系YouTuberと選挙 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[310]


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警視庁は4日、ガーシーこと東谷義和(ひがしたによしかず)容疑者を、著名人らを脅迫したなどの容疑で逮捕しました。

暴露系YouTuberとして【※1】話題となっていた東谷容疑者ですが、昨年7月の参議院議員選挙に出馬し、約28万票を獲得して当選しています(今年3月に除名され、議員の資格は失っています)。

 

※1 暴露系YouTuberとして … そもそも東谷容疑者は、自身のギャンブルで作った借金を返済するために詐欺行為を働き、その詐欺行為を告発されて身動きが取れなくなり、最終的に「開き直り」で暴露をはじめました。こうした反社会的な行動をとる人間でも、知名度があれば当選してしまうことに怖さを覚えます。

 

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さらに今月1日には、朝日新聞が映画のキャラクター「ジョーカー」に扮(ふん)した議員の取材記事を取り下げ、おわびしました。

この「ジョーカー議員」は女性支援団体の活動の場【※2】やTwitter上で差別的な発言をするなどの迷惑行為を繰り返していましたが、朝日新聞は記事の中でそうした問題行為を取り上げず、好意的に記事を書き、それに対して多数の指摘や批判が寄せられたためです。

 

※2 女性支援団体の活動の場 … 社会的に弱い立場に追いやられている人たちや、支援者を攻撃することによって、知名度や影響力を高める人が増えています。これは日本特有の現象ではなく、例えばアメリカ前大統領のトランプ氏は、移民の人々を批判し続けることで支持を広げていきました。その批判の中には、多くの間違った情報が含まれていました。

 

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今年4月には、衆院補選や参院補選、統一地方選など、全国各地で選挙が行われました。その選挙に多くの「迷惑系YouTuber」が立候補をしました。

ほとんどの迷惑系YouTuberは落選しましたが、ネットでの影響力・知名度を使って選挙に出てくる人はこれからも増えてくるでしょう。

これからの政治家は「SNSでの発信力」が大事になるでしょうが、その発信力が差別、迷惑、犯罪行為によって得られたものでないか、投票する有権者はその見極めが求められます。

 

イラスト 小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

http://smartphoneokoku.net/

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