全勝工業カキヤー、持久戦制す 平成若猪会大闘牛大会 沖縄・うるま


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
シーの2番で徳田アコー(左)をカケ技で封じる全勝工業カキヤー(右) 場所=11日、うるま市石川多目的ドーム

 第11回平成若猪会大闘牛大会(主催、南部・胡屋・具志川・石川闘牛組合、共催、琉球新報)が11日午後1時からうるま市石川多目的ドームで開催された。

 梅雨まっただ中で雨こそ降らないものの湿度が高く蒸し蒸しと暑い日ではあったが、会場にはたくさんの闘牛ファンが詰めかけ観戦を楽しんだ。

 シーの1番は赤番頭が安定感を見せ勝利し、連勝を13に伸ばした。注目の封切スペシャルマッチは勝山無双が初陣を飾った。

 シーの1番は、まず彪仁花形がワリ技で先制攻撃を仕掛け、赤番頭は慌てることもなく冷静沈着に迎え撃ち、互いにワリ技、カケ技の応酬となるが、赤番頭のエンジンがかかり始めたと思った矢先に突如として彪仁花形が戦列を離れ敗走した。

 この日一番の盛り上がりを見せたシーの2番は、先場所やっと長い連敗生活を脱した全勝工業カキヤーの右カケが序盤から炸裂し、徳田アコーの動きを封じ込める展開となる。徳田アコーもカケ技を決められながらも巧みなフットワークで粘り腰を見せ持久戦に突入し、意地のぶつかり合い根性勝負になった。しかし、徳田アコーが先にスタミナ切れのサインである舌出しをし自ら敗走。約35分にも及ぶ激戦は全勝工業カキヤーに軍配が挙がった。

 決着すると両牛の健闘を称えるように会場からは大きな歓声と拍手が沸きおこった。

 デビュー戦同士で良血牛対決として注目を集めた封切スペシャルマッチは交角すると獣王パンダがワリ技、突き技を繰り出し、勝山無双が嫌がるようなそぶりを見せたため獣王パンダが優勢かと思われた。だが、勝山無双も父親譲りの負けん気の強さと勝負根性でカケ技から強烈な押し込みで獣王パンダを土俵際まで追い詰め、最後は豪快な腹取りで勝負を決めた。(平川智之)

優勝:赤番頭(あかばんとう)
ゆかり賞:勝山無双(かつやまむそう)
敢闘賞:全勝工業カキヤー(ぜんしょうごうぎょう)
殊勲賞:剛力カキヤー(ごうりき)