軽石、新たな漂流・漂着は確認されず 回収や処理、一部の離島など除き完了 沖縄県対策会議


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漂着した軽石の回収や処理について報告した県軽石問題対策会議=12日、那覇市泉崎の県庁

 小笠原諸島の硫黄島近海の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火が要因とみられる軽石が、沖縄本島各地の沿岸に大量に漂流・漂着した件で、6月現在、新たな軽石の漂流・漂着は確認されず、フェリーなどの運航や漁船などの出漁に支障は生じていないという。那覇市の県庁で12日に開かれた県軽石問題対策会議で報告があった。

 3月の気象庁の発表によると、2021年8月に福徳岡ノ場での噴火以降、新たな噴火は確認されていないが、周辺海域で変色が見られるため、噴火で軽石が再び漂流・漂着する可能性があるとして、今後も注視する方針を示した。

 土木建築部や農林水産部の報告によると、漂着量が著しく多く、船舶の航行などに支障が生じた県管理の港湾や海岸、漁港での回収や運搬処理は、一部離島などを除き完了している。県をはじめ国や市町村が回収した軽石は5月時点で11万454立方メートル。今帰仁村の運天港を含む県管理港湾で6万3324立方メートルを回収した。

 県民向けに募った利活用のアイデアは88件の応募があった。農業資材への利活用については、塩分除去を利用の前提とする留意事項を示した上で活用するよう、ホームページで公表したと報告した。

 県は、関係部局で毎週開いてきた作業部会を含む対策会議の定期開催を、この日限りで閉じた。玉城デニー知事を議長とする対策会議の組織は解散せず、新たに軽石の漂着などが確認された場合に対応することが承認された。
 (慶田城七瀬)