パーランクーをビニール袋で包んで声援 やんばる駅伝 伊平屋島の沿道熱く、雨にも負けず


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降りしきる雨の中、力走するランナーに沿道で傘を差しながら声援を送る人たち=17日、伊平屋村の田名ロータリー(ジャン松元撮影)

 【伊平屋】第30回やんばる駅伝競走伊平屋島大会(主催・同実行委員会、伊平屋村、琉球新報社)は17日、伊平屋村では6年ぶりに開催され、選手たちは健脚を競った。時折大粒の雨も混じるあいにくの天気だったが、沿道には大会を待ち望んでいた住民が傘を差しながら「頑張れ」「ファイト」と声援を送った。中には手を挙げて声援に応える選手の姿も見られた。

 終始雨が降る中での開催となったため、太鼓やパーランクーを鳴らして応援する住民の姿はまばらだった。それでも80代の女性は「これくらいの雨は大丈夫」とビニール袋に包んだパーランクーを鳴らして声援を送った。田名地区では楽器の代用としてペットボトルを使って応援する住民も見られ、伊平屋村の選手が通過すると、一層力のこもった声援が選手に届けられた。

 沿道には子どもたちの姿も多数あった。父親が選手として参加した児童(9)は「走っているお父さんはかっこいい。1位を取れるように頑張って」とエールを送った。別の生徒(13)は「必勝 伊平屋中」と書かれたのぼりを手に、「走っている人は一生懸命だ。自分もその分応援を頑張りたい」と出場した教師を応援した。

 大会を初めて観戦する住民の姿もあった。15歳で島を離れ、1カ月前に本土から伊平屋島に戻ってきた60代の女性は、「大会は戻ってきてから初めて知った。昔よりもいい道になって選手も走りやすいのではないか」と通過する選手らを見守った。
 (武井悠)