作り手の愛情、共に届けたい 岩崎みどり(暮らし報道グループ)<ゆんたくあっちゃ~>


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written by 岩崎みどり(くらし報道グループ)

 姉が北海道で農家をしている。広い農地を、家族以外の人や機械の力を借りながら営農するスタイルは、沖縄の農業とはずいぶん違うと思う。でも、収穫期には朝から晩まで畑で過ごして真っ黒に日焼けして、それでも「時間が足りない」と働く様子や、どんなに頑張っても気候などのせいで予想通りの収穫ができず肩を落とす年もあることなど、共通する部分もたくさんあると思う。

 4月、南風原町の特産品カボチャを、町内の学校給食に提供するための贈呈式を取材した。その際に、町産カボチャを1個頂いた。これが驚くほど大きくてずしりと重い。色は思いのほか濃い緑色。スーパーで売られている4分の1カットの状態に見慣れていた私は、久々に見たカボチャ本来の姿に圧倒された。

 2週間の追熟を経て煮物にすると、甘さが優しく、ホクホクとしていた。長年にわたる栽培方法の研究や品種改良、栽培農家たちの情熱がぎゅっと詰まっていると感じた。

 担当する豊見城市、南風原町を回っていると、畑の多さに驚く。沖縄を代表する果実・マンゴーだけでなく、トマト、ゴーヤー、葉野菜など、ビニールハウス横をワクワクしながら通り過ぎる。畑に出向いて野菜や果物の収穫を取材し、作り手の思いと共に届けたい。食を支える仕事が報われる社会を目指して。

(豊見城市、南風原町、南北大東村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。