ルカン礁ダイバー漂流事故、潜水中にロープが外れたか 海上のフロートに戻れずダイビング船が見失う


この記事を書いた人 琉球新報社
漂流者の捜索・救助活動に当たった巡視船はりみず=19日午後2時半ごろ、糸満市西方沖(第11管区海上保安本部提供)

 19日に糸満市西方約12キロのルカン礁でダイバー7人が漂流した件で、那覇海上保安部は20日、ダイバーの潜水位置を海上で確認するための球状のフロートとダイバーをつなぐロープが外れていたと明らかにした。ダイビング船がダイバーを見失った要因とみられ、同保安部と県警がロープが外れた原因を含め、詳しく調査している。

 ダイバー7人はインストラクターの2人と県外客の5人。集団になって潮の流れに乗り、海中を移動する「ドリフトダイビング」をしていた。

 同保安部によると、19日午前9時ごろに糸満漁港をダイビング船で出港した7人は、同10時5分ごろにルカン礁東側で潜水を開始した。船長1人が乗ったダイビング船が同11時ごろ、インストラクターとロープでつながれたフロートが浮く地点で、7人を引き上げる予定だったという。

 予定時刻を過ぎても7人がフロート地点に浮上しないことから船長が確認したところ、午前11時20分ごろにフロートとインストラクターをつなぐロープが外れていることが判明。7人を見失ったため、同50分ごろに「男女7人が行方不明になった」と118番通報した。7人は潜水中にロープが外れたことに気付き、急きょ海面に浮上していたという。

 第11管区海上保安本部は「今回のように船がダイバーを見失った場合に備えて、ダイバーは個人用の発信器を着用してほしい」と呼びかけている。

 11管によると今年、管内で発生した19日現在のマリンレジャー事故件数は26件(前年同期比4件増)で、人数は35人(同10人増)。そのうち8人(同4人減)が死亡している。