沖縄の貯蓄額746万円で全国最下位続く 全国平均の半分にも届かず 総務省の22年家計調査


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 2022年の総務省家計調査によると、県内の2人以上世帯の貯蓄額(貯金や株、保険など)は746万円で、全国最下位だった。沖縄の貯蓄額は家計調査の貯蓄・負債編の統計が始まった02年以降、1千万円を超えたことは一度もなく、毎年全国で最も少なかった。地方圏域別で最も高かかった東海地方は2284万円で沖縄の3倍、全国平均は1901万円で同2.5倍だった。

 22年の同調査で総務省は全国5686世帯を対象に実施し、地方圏別や県庁所在自治体ごとの貯蓄額や負債などの状況を5月に公表した。地方圏別では沖縄と北海道は単独の地方として結果が出た。調査に協力した世帯主の平均年齢は全国59.7歳で、沖縄は58.6歳だった。

 県内では那覇市と宜野湾市、沖縄市、石垣市、名護市、宮古島市、北谷町、八重瀬町の112世帯が回答した。

 県庁所在地別の貯蓄額はトップの名古屋市が2659万円で、那覇市は904万円で最下位だった。一方、負債は全国平均576万円だが、沖縄は432万円で最も少なかった。

 地方圏別の貯蓄額のうち有価証券の保有額は全国平均294万円のところ、沖縄は最下位の32万円だった。持ち家率の全国平均は85.2%だが、沖縄は65.3%と最も低かった。

 沖縄の貯蓄額が全国一低い背景として、非正規雇用率が高いほか、製造業に比べ労働生産性が低い第3次産業の割合が高いことが挙げられる。沖縄県によると、労働生産性は全国平均が874万6千円、沖縄は全国平均の73.2%にとどまる640万6千円で全国最下位だった。

 県は2022年度から始まった「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」で、アジアに近い立地を生かした高付加価値型の観光産業を構築するほか、IT産業やバイオ産業など労働生産性が高い第2次産業の発展に向けた施策展開を打ち出した。
 (梅田正覚)