旭川鉱山周辺の陥没問題で国が現場検証 周辺住民や事業者から意見聴取


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
名護市旭川の「旭川鉱山」を視察する沖縄総合事務局の担当者や地域住民ら=22日、名護市旭川

 【名護】周辺住民が鉱山開発による水害などを訴えている名護市旭川の「旭川鉱山」で、鉱業権の許認可や監督を担当する沖縄総合事務局環境資源課が22日、現場検証した。旭川鉱山周辺では土地の陥没や、赤土が畑へ流れ込むなどの被害が相次いでおり、総合事務局の職員らは周辺の区長や事業者から状況を聞き取った。

 旭川鉱山を巡っては、事業者が許可を得ずに敷地内を流れる河川を改変したなどとして、県北部土木事務所が原状回復を求め、口頭で行政指導をしてきた。総合事務局の担当者は意見を聴取した後に、土地が陥没した現場や赤土が流れ込んだ畑、鉱山の内部などを視察した。

 意見聴取に参加した関係者によると、総合事務局側は河川の改変は県側との話し合いが必要だとの認識を示し、鉱山から赤土が流れ出たことが確認された場合は対策を求めていくとした。住民側は「違法工事による河川の改変と、鉱山から赤土が流出しているという複合した課題がある。河川を管理する県と(鉱山を管理する)国が協力して対応することが必要だ」との意見を上げた。

 沖縄総合事務局の担当者によると、現場の状況や意見聴取した内容を踏まえ、対応を検討する。担当者らは鉱山の敷地内や隣接する民間地との境界などを見て回った。住民からは「何も対策をとらずに放置したままでは、さらに大きな災害が起こる可能性もある」と指摘する声も上がった。
 (池田哲平)