岸田首相が来県、追悼式に参列へ 南西防衛強化への発言注目 東京


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
昨年の沖縄全戦没者追悼式で、あいさつする岸田文雄首相=2022年6月23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 【東京】岸田文雄首相は23日、来県し、沖縄全戦没者追悼式に参列する。複数の政府関係者によると、玉城デニー知事との面談も予定しているという。昨年末の安全保障関連3文書の改定で沖縄を含む南西諸島の防衛強化を打ち出し、敵基地攻撃能力(反撃能力)を備えた長射程ミサイルの県内配備の懸念が強まる中での岸田首相の発言に注目が集まる。

 官邸・内閣府によると、追悼式には岸田首相のほか浜田靖一防衛相、岡田直樹沖縄担当相、加藤勝信厚生労働大臣も参列し、外務省からは外遊中の林芳正外相の代理で山田賢司副大臣が参加する。岸田首相は23日午前に東京を出発し、献花のために糸満市摩文仁の国立沖縄戦没者墓苑に向かう。

 その後、沖縄戦当時の島田叡知事らを祭る「島守の塔」を参拝し、献花する。慰霊の日に合わせた同塔への首相参拝は、安倍晋三元首相に続いて2度目。岸田首相としては、昨年5月15日の沖縄の日本復帰50年の式典出席に合わせた来県の際にも参拝している。

 関係者によると、公式日程には組まれていないが、追悼式開始前に式典会場近くの沖縄平和祈念堂で玉城知事と面会する予定もあるという。

 岸田首相の式典出席を発表した松野博一官房長官は22日の会見で、太平洋戦争末期に激しい地上戦が行われたことを踏まえ「犠牲になった県民らに国を代表して哀悼の意を表し、平和な日本を守っていく誓いを改めて示す」と強調した。一方で、県民からの反発が根強い米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設については「唯一の解決策」とし、従来からの推進方針を改めて示した。(安里洋輔)