自宅ブロック塀の下に天然記念物 絶滅危惧のマダラトカゲモドキ 発見の男性、原野に戻す 沖縄・渡嘉敷島


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兼城清孝さんが保護し、原野に戻した県の天然記念物のマダラトカゲモドキ=13日、渡嘉敷村の兼城清孝さん宅

 【渡嘉敷】渡嘉敷島に生息する県の天然記念物のマダラトカゲモドキ(トカゲモドキ科、別名・リュウキュウトカゲモドキ)が13日正午ごろ、渡嘉敷村の兼城清孝さん(67)宅の門中ブロック塀の地面で見つかった。兼城さんがじっとしている個体を発見して保護し、近くの原野に戻した。

 渡嘉敷島のマダラトカゲモドキは島では「ジーハブ」と言い、沖縄本島産のものに比べ、背中の斑紋がやや違う。

 マダラトカゲモドキは国内希少野生動植物種。渡嘉敷島、阿嘉島などの島に生息する固有種で環境省絶滅危惧I類。全長15~18センチ、背面の体色は黒や暗褐色などで、だいだい色の縦じまや横じまが入る。尾には3~5本の白い横じまがある。

 完全に夜行活動性で昼間に見られることはない。繁殖は5~8月、一度に2個産卵し、1シーズンに2~3度産卵する。

 兼城さんが発見したこの日の午前中、渡嘉敷村は大雨だった。兼城さんは「自宅の屋内外の点検中に発見し保護した。大雨で迷い込んだものと思われ、昼間に見るのは珍しい」と話した。
 (米田英明通信員)