50歳の儀間さん「中学生の頃より速くなった」100メートル走で沖縄県記録を更新 子どもの送迎きっかけに


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日本陸上競技選手権に出場し、自らが保持する50代女性の県記録を更新した儀間由紀美さん=4日、大阪府

 【中城】36歳で陸上を始めた中城村の儀間由紀美さん(50)が、今月1~4日に大阪で開催された日本陸上競技選手権大会の100メートル50代女子の部に出場し、13秒64で県記録を更新した。これまでの記録は昨年秋に自身が出した13秒77。儀間さんは36歳になって陸上を始め、トレーニングを重ねてきた。今年からジムに通って体幹づくりにも取り組み、研究を続けている。腕振りなどに改善が見られるという。

 学生時代にはハンドボール部に所属したが、就職、結婚してからはほとんど運動してこなかった儀間さん。転機は30代のころ、3人の子どもが地元中城の陸上クラブに入り、送迎をしていた際に興味本位で自分も走ってみた。「村の陸上大会にも出ないか」と声を掛けられ100メートル走に出場すると優勝し、村代表として出場した県大会でも優勝してしまった。当時の記録は13秒60くらいの速さだったという。

 そこで出会った県トップレベルのアスリートに触発され、本格的に陸上を始めることにした。吉の浦公園ごさまる陸上競技場を拠点に、子どもたちの陸上クラブの監督や保護者に小さい子どもを抱っこしてもらうなど、サポートを受けながら走り込みなど週3で練習を続けた。

 競技場には中城中陸上部の生徒たちも練習に訪れるが、そのうち「教えてほしい」と声も掛けられるように。昨年からは正式に外部コーチとして生徒たちの指導にも当たっている。皆でわいわい練習することでレベルアップにもつながった。

 同校陸上部の伊波要子監督(52)は「仲間としてアドバイスし合っている。毎日お互いを見て昨日より良くなったことや悪くなったことを観察して、いい結果が出た時の変化を教え合っている」と話す。儀間さんは中学生のころは学年で一番速かったというが、当時の記録は14秒台。「中学生の頃よりも速くなっている。13秒台をいつまで維持できるか頑張り続けたい」と記録更新を喜んだ。

(島袋良太)