FC琉球、宮崎に完敗 0-3 プレスの連動性欠け、歯車かみ合わず


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 明治安田J3第15節第1日の24日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでテゲバジャーロ宮崎と対戦、0―3で敗れて2連敗となった。通算成績は5勝8敗2分けで勝ち点17のまま。順位は16位。

 前半開始早々の2分、コーナーキックから頭で決められ先制点を奪われた。終盤になるにつれて琉球のゴール前でのチャンスも多くなったが得点は奪えず、0―1で折り返した。

 後半は序盤から何度も攻めた。柳貴博の右クロスからケルヴィンが頭で合わせたシュートでゴールに迫った。しかし、16分にはカウンターから守備のほころびを突かれ中央から2点目、27分には縦パスを通され、ドリブルで持ち込まれて3点目を決められた。以降もカウンターを食らう場面が多かった。次戦は7月2日、香川県のPikaraスタジアムでカマタマーレ讃岐と対戦する。
 

(1)タピスタ
宮崎 5勝6分け4敗(21)
 3―0(1―0,2―0)
琉球 5勝2分け8敗(17)
▽得点者 【崎】 石津2(3)南野(5)
▽観客 2278人

 【評】個の能力の高さを持つ琉球だが、チームとして歯車をかみ合わせる過渡期にある。課題や修正点を洗い出して共通の意思疎通の下、一つ一つつぶしていく他ない。攻撃では前への推進力で相手の脅威となったのはケルヴィンだった。GKまで下げる後ろ向きな姿勢は危機を招いた。


テゲバジャーロ宮崎―FC琉球 前半、サイドで激しく競り合う琉球の柳貴博(左)=24日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 チームが掲げる選手同士の距離感を「コンパクト」に保つサッカーに課題が残った。前半2分にセットプレーから失点。その後も相手に主導権を握られたが、前線と中盤の選手でボールを奪いにいく連動性のあるプレスに欠け、いつ、どのスペースという部分でも歯車がかみ合わなかった。

 ボランチの平松昇は「1点決めると引いて守るチームも多い。0―1とされて点を取りにいきたいみんなの気持ちも分かるが、スペースをコンパクトにした状態でプレスをかけにいきたかった」と前線の選手とすれ違う思いがあった。中盤で相手との距離が空き、そこから手玉を取られ、どんどんパスをつながれた。

 後半はゴールに迫る場面も多かった一方、前のめりで守備が手薄になったリスクを相手にうまく狙われ2失点。2点目はカウンター気味に前線にボールを送られ、クロスボールを中央で押し込まれた。その際、DF陣の注意力がボールにばかり目がいき、走り込んでくる選手をマークし切れなかったことも課題となった。

 DF牟田雄祐は「自分の所でもミスがあった。勝利がほしい時の連敗に責任を感じている」と足元を見詰めつつ、しっかり前を向いた。

 (大城三太)


距離感遠く後手に

 喜名哲裕監督(琉球)の話 情けない試合になってしまい、申し訳ない。守備の部分で、うまくはめられた。選手の距離感が遠く、後手に回った。整理すべき所はたくさんある。ミスもあったが、チームは変わろうとしているし、いろんなことにトライしようとしている。
 

組織で守り切った

 松田浩監督(宮崎)の話 課題だった複数得点を奪い、相手をシャットアウトできたことはよかった。琉球は、前半最後に3バックでビルドアップしてくるとは思わなかったが、選手は状況に応じて対応してくれた。個の強さがあるチームに組織で守り切った。