「アイヌと沖縄のために何かをしたい」 15歳の運天さん、共通の過去学び決意


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沖縄とアイヌ民族のために行動することを誓う運天十愛さん(後列中央)と友人ら=23日、糸満市真栄平

 日本の周縁で生き、歴史や文化が奪われてきた共通の過去がある、沖縄とアイヌ民族のために行動することを誓う高校生がいる。フリースクールなどを運営する珊瑚舎スコーレ(南城市)に通う運天十愛(とあ)さん(15)=豊見城市=だ。23日の慰霊の日にアイヌ民族の足跡が残る糸満市真栄平の南北之塔を訪れ、「人生を懸けてアイヌと沖縄のために何かをしたい。今日ここに来て決意が固まった」と語った。

 太平洋戦争当時、空襲により目の前で友人が亡くなった経験を持つ曽祖母の話を聞いて戦争や平和について興味を持った。学校で沖縄戦やアイヌ民族のことを学び、関心がさらに高まってきた。「友達には『話がおじいちゃんみたい』と言われる」と苦笑い。今は琉球大で沖縄の歴史を探究するために受験に備える。

 将来的にはアイヌ民族の言葉やしまくとぅばを網羅したサイトの制作やこれから珊瑚舎スコーレが北海道に設置する学校の教壇に立つことを夢見る。

 南北之塔でアイヌ民族の玉城美優亀さん(63)から平和や差別についての講話を聞いた。「将来、ヤマトの子どもにも沖縄の歴史を教え、平和の一歩としたい」と話した。
 (梅田正覚)