原告「爆音差し止めを」 国側、制限できる立場にない 沖縄・第4次嘉手納弁論


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那覇地方裁判所沖縄支部(資料写真)

 【中部】米軍嘉手納基地周辺8市町村の住民1万2049世帯の3万5560人が、米軍機の騒音で睡眠妨害や身体的被害などを受けているとして、夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償などを国に求める「第4次嘉手納爆音訴訟」の第2回口頭弁論が29日、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)で開かれた。原告側は「早期の解決、特に爆音の差し止めをお願いしたい」と訴えた。

 原告側からは、うるま市赤道在住の根舛本子さん(59)が証言台に立った。

 「朝昼夜と関係なく鳴り響く米軍機の爆音で、やっと寝かしつけた子どもを起こされ、子育ての合間のわずかな休息さえ無情にも遮られた」などと騒音被害を訴えた。

 また原告側の弁護士は提出した準備書面の要旨を陳述し「国は米軍と共に原告の権利を侵害しており、第三者行為論の適用の前提に欠ける」と強調した。

 国側は、準備書面で米軍機の飛行差し止めについて「関係条約ないしこれに基づく国内法令に米軍機の運航などを規制し、制限し得るような特段の定めは存在しない」と主張した。国が制限できる立場にないとする「第三者行為論」で、飛行差し止め請求の棄却を求めた。

 第3回口頭弁論は10月12日に開かれる。

(石井恵理菜)