日本Sバンタム級決定戦 大湾、王者ならず 下町に判定で0-3「流れ変えるイメージできていなかった」


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 プロボクシングの日本スーパーバンタム級王座決定戦が29日、東京都の後楽園ホールで行われた。日本5位でOPBF東洋太平洋11位の大湾硫斗(25)=うるま市出身、美来工科高出、志成=は下町俊貴(26)=グリーンツダ=に0―3の判定負けを喫した。試合序盤は長身の下町に遠距離から打ち込まれる場面もあった。それでも大湾は距離を詰めながら効果的な打撃を繰り出した。試合後半にかけて大湾が攻め込む時間も増えたが、攻撃を巧みにかわす下町が最後は上回った。大湾の戦績は12戦10勝(6KO)2敗となった。


積極的に右ストレートを放って相手を攻める大湾硫斗(右)=29日、後楽園ホール

 「自分がこれぐらいのレベルかっていうのが分かった」。自虐気味のコメントに、大湾硫斗の悔しさがにじんだ。日本王座を懸けて挑んだ待望の一戦だったが、結果は0―3の完敗。距離を取りながら繰り出される相手のジャブでポイントを奪われ、自慢の豪打は沈黙した。

 身長で上回る相手は距離を保ちながらジャブやストレートを繰り出して大湾を苦しめた。大湾は相手の懐に飛び込みながらの連打などで局面打開を図ったが有効打は放てず。相手の防御もうまく、拳が何度も空を切った。

 6回以降は大湾の動きが目に見えて良くなり、軽快なフットワークで距離を詰めて顔面やボディーに拳を突き刺した。しかし「流れを変える動きがイメージできていなかった」とうなだれた。

 運にも恵まれなかった。日本王座戦に向けた合宿の序盤に右足をねんざした。その後、左足も痛め、満足なトレーニングができなかった。藤原俊志トレーナーは、「手応えを感じる場面もあっただけに、けががなければという思いはある」と唇をかむ。そして「悔しい思いを次につなげてほしい」と願い、次戦での復活に期待を寄せた。

(安里洋輔)