東村宮城にコテージ型ホテル計画 敷地内にパイン酒工場、受付は公民館など「地域密着」を軸に


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ホテルと県道をつなぐ進入道路の建設予定地。売却と建設は区民の賛成多数で承認された=15日、東村宮城

 【東】沖縄県東村宮城のながはま海岸周辺で、那覇市首里の建設関連会社ホープ設計が地域密着型の宿泊施設を建設する計画を進めていることが、6月28日までに分かった。約6600平方メートルの土地に、コテージ型のホテルを約10棟ほど建設する予定。地域活性化を軸に、地域の農林水産業との連携なども検討している。

 東村産のパインを使ったワインなどの酒造工場を敷地内に建設予定。そのほか、パラグライダーやながはま海岸でのSUP(スタンドアップパドル)の体験など自然体験を前面に打ち出す。受付場所として宮城公民館を活用するなど、地域密着型の宿泊施設を検討している。

 村は2019年5月、開発を手掛ける事業者から、計画の提案を初めて受けた。関係者によると、コテージは1~2階建てが想定されており、「地域景観には配慮されている」という。

 ホープ設計が今年2月に村宮城の住民に対して実施したアンケート調査では、建設に対する賛成意見が過半数を占めた。住民からは「地域活性化を期待している」と肯定的な意見があった一方、具体的な説明を求める声もあった。

 当初の計画では県道70号からホテルまでをつなぐ進入道路が定住促進住宅を通る既設道路を活用する案だった。当初案に対し、建設後の施設管理に対する不安などから住民の反対は強かった。

 ホープ設計は進入道路は住宅前を通らない新設案に修正したが、必要な用地に区所有の土地が含まれていたことなどから、昨年11月に住民説明会を実施。説明会でも意見がまとまらなかったため、今年2月に区所有の土地の売却や建設の賛否を問うアンケート調査を実施したところ、賛成多数となった。

 東村の當山全伸村長は「地域と連携できれば雇用も図れる」と期待を示した上で、計画に対し賛否が割れたことについては「地域活性化につなげるということであれば、地域の理解は必要だ」との認識を示した。

 ホープ設計の担当者は「どういう形態での宿泊施設になるかは未定だ。他の事業者との守秘義務もあるので、現段階では何も答えられない」と話した。

(武井悠、與那覇智早)