沖縄の路線価上昇率3.6% 9年連続の上昇 全国4位の上げ幅 最高価は22年連続あの場所


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
県内の最高路線価となった那覇市久茂地3丁目の国際通り=3日

 沖縄国税事務所は3日、相続税や贈与税算定の基準となる2023年1月1日現在の県内路線価(1平方メートル当たり)を発表した。路線価を決める標準宅地の評価基準額は対前年変動率の平均値がプラス3・6%で9年連続で上昇し、全国4位の上げ幅となった。前年の1・6%から2ポイント向上した。

 底堅い住宅需要に加え、コロナ禍の制限緩和で観光需要の回復に対する期待感が膨らみ、土地取得の動きが広がったとみられる。

 宅地3200地点を標準地に設定し、評価を割り出した。同事務所管内6税務署ごとの最高路線価は全て上昇した。

 最高路線価は「那覇市久茂地3丁目国際通り」(那覇税務署)の145万で、22年連続で最高価格となった。前年に比べ3万円(2・1%)の増加で3年ぶりに上昇した。

 その他は、沖縄が前年比4・4%増の23万5千円、宮古島が同4・3%増の12万円、北那覇が同3・8%増の82万円、石垣が同3・4%増の15万円、名護が同2・9%増の7万1千円だった。

 沖縄都市モノレール各駅前の路線価は、個別評価を定めていない「経塚駅」「てだこ浦西駅」を除く17駅のうち、上昇が10駅、横ばいが7駅となり、3年ぶりに下落がなかった。最高路線価は県庁前駅で、対前年の上昇率が1・9%、2万円増加し110万円となった。上昇率が最も高かったのは、おもろまち駅のプラス5・1%で、39万円から41万円に伸びた。

 沖縄は外国人客の増加など旺盛な観光需要を追い風に標準宅地の評価基準額は、2017年から3年連続で上昇率が全国トップだった。しかしコロナ禍で観光客が激減し、21年は前年より8・9ポイントも縮小。プラスを維持したものの、21~22年はいずれも1・6%で推移した。

 ただそれでも全国的に低い持ち家率を背景に住宅需要は堅調で、マンション建設も大きく停滞することはなく、徐々にコロナ禍の影響が和らぐ中で、観光需要を取り込もうとする動きが県内全域での評価額押し上げにつながったとみられる。