泣く赤ちゃん口押さえられた過去、歌える喜び今 BEGINら「うたの日」 5000人熱狂 沖縄・うるま市


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うたの日コンサート2023のステージを盛り上げるBEGINら(ピーエムエージェンシー提供)

「沖縄からうた開き!うたの日コンサート2023inうるま市」が6月24日、うるま市の石川多目的広場であった。主催するBEGINと、伊勢正三、ハンバートハンバート、Y.A.B(ヤファイアン・アッチャーズ・バンド)らが出演した。沖縄本島では約4年ぶりとなり、約5千人の観客が快晴の中、響き渡る歌声に乗せて踊り、「うたの日」を祝った。

 冒頭、BEGINの比嘉栄昇、島袋優、上地等が登壇。比嘉は「戦争の時は歌うことも踊ることも駄目、防空壕(ごう)の中で、赤ちゃんが泣いても口を押さえていた」と振り返り、うたを歌える喜びを分かち合おうとこれまで同コンサートを開催してきた経緯を語った。

 一方で、コロナ禍に触れ「3年以上も歌を歌ってはいけないような雰囲気があって、これまでのように『うたの日』を説明するのが難しくなった。だからもう一回、『うたの日』とは何なのかゼロから考え直そうという思いだ」と語った。

 1曲目は「ウルマメロディー」。ステージにはハワイアンフラと琉球國祭り太鼓のメンバーが歌に合わせて演舞した。比嘉は「うるま市にたどり着きましたよ、皆さん」と呼びかけ会場を沸かせた。続けて「アサイーボウル」「私の好きな星」を披露した。

 続いて、昨年石垣島で結成された、比嘉と健二朗の親子でボーカルを務め、ベース・メリー荒木、ギター・石垣ユウマ、ドラム・安馬ゼンタロウのY.A.Bが登場。佐藤良成と佐野遊穂によるデュオのハンバートハンバートも多彩な楽曲を披露した。歌うことへの喜びも伝えるパフォーマンスだった。
 
伊勢は「なごり雪」や「22才の別れ」など代表曲をしっとりと歌った。伊勢は「やっぱり音楽、歌はいいなとしみじみ思います」と語ると、観客から声援が上がった。比嘉とホルキーズのドラマー舜太朗との親子共演もあった。
 
後半は再びBEGINが登場し「国道508号線」「オジー自慢のオリオンビール」を披露すると観客は総立ちに。「かりゆしの夜」「島人ぬ宝」では観客が一緒に踊り最高潮になった。
 
最後は、恒例となっている「マルシャ・ショーラ」で飾った。宮城姉妹やホーン隊、全出演者が登場し、BEGINのオリジナル曲や親しみのある歌謡曲などを、マルシャの2拍子のリズムに乗せてメドレー形式で全13曲を歌いつなぎ、会場は高揚感に包まれ、終演を迎えた。 
(田中芳)