旭川鉱山、税滞納で土地差し押さえられる 重機リース料の未払いで訴訟も


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採掘が進められている旭川鉱山=2018年10月(小型無人機で撮影)

 【名護】周辺住民から水害などの苦情が相次いでいる名護市旭川の「旭川鉱山」を巡り、鉱山の開発事業者が消費税・地方税を滞納したとして、名護税務署が一部の土地を差し押さえたことが分かった。不動産登記簿によると、差し押さえは6月27日付。さらに、県外の運送事業者から借りた重機などのリース料も1億円以上の未払いがあるとして、民事で提訴されていることも関係者の話で明らかとなった。

 旭川鉱山は敷地内の河川を改変したとして、行政から原状回復を求められているが、事業の継続性に疑義が生じている。

 訴状などによると、重機のリース契約は2020年12月1日から29年4月25日までの約8年半で、月末締め、翌月末支払いとなっていた。県外事業者は、現在も油圧ショベルや油圧ブレーカー、破砕機など約10台を貸し出しているが、21年6月請求分以降の料金が支払われていないと主張する。県外業者は重機をメーカーから買い取るなどして料金を割賦で支払っており、鉱山開発事業者からの支払いが滞ったことで苦しい状況に陥っているという。

 県外事業者の担当者は取材に対して「鉱山で使われていた重機をメーカーが点検したところ、破損が確認されたほか、オイル交換などのメンテナンスもされていない。このまま未払いであれば、重機を引き上げざるを得ない」と話した。

 差し押さえられているのは、鉱山内でいくつか分筆された土地の1カ所で、約1412平方メートル。琉球新報は今後の事業計画やリース料金未払いについての見解を開発事業者の会長に電話で問い合わせた。会長は電話に出なかったが、携帯電話のメッセージで「具合が悪い」とし、体調が良くなったら連絡するとした。改めてメッセージでの回答を求めたが、5日までに返信はなかった。
 (池田哲平)