参院選公示「慰霊の日」想定 遺族ら批判「配慮足りない」


この記事を書いた人 志良堂 仁

 自民、公明両党は来年夏の参院選を6月23日公示、7月10日投開票と想定し準備を進めている。6月23日は沖縄戦の組織的戦闘が終結したとされる日で県の公休日「慰霊の日」となっており、これまで国政選挙が実施されたことは一度もなく、公示日となれば初となる。立候補予定の2氏は「決定ではない」「沖縄の重要な日を無視すれば問題だ」などと異なる受け止めを見せた。一方、遺族会関係者らからは「慰霊の日は静かに戦没者のことを思う日だ」「配慮が足りない」など一斉に反発の声が上がった。また自民、公明の県組織を含め、県内政党からは変更を求める声が相次いだ。

 来夏の参院選は、選挙権が「18歳以上」に引き下げられる改正公選法施行日の6月19日より後の公示で、6月23日公示が有力視されている。
 現職で自民党公認を受けて3選を目指す島尻安伊子沖縄担当相(50)は、大臣として慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式への出席も予想される。島尻氏は「まだ国会の日程も決まっておらず、決定したことではないので何もお答えできない」と述べるにとどめた。
 出馬表明している伊波洋一氏(63)は「慰霊の日は厳かに戦没者を悼む日だ。沖縄にとって重要な日を無視すれば問題だ」と指摘した。その上で「沖縄を切り離した4月28日を『主権回復の日』とした時と同じような強い反発が起きる可能性がある」と疑問視した。