無人島「岡波島」で不発弾580発が見つかる 米国製りゅう弾や黄リン弾、自衛隊が回収 「一度にこれだけの量はあまりない」


社会
この記事を書いた人 琉球新報社
大量の不発弾が見つかった無人島の岡波島(2015年撮影)

 糸満市と豊見城市の西海岸沖にある無人島「岡波島(うかはじま)」で5~6日にかけ、不発弾約580発が見つかった。自衛隊の不発弾処理隊が回収し、5日に約420発、6日に約160発を見つけた。7日までに全て保管施設に移すという。

 自衛隊第15旅団によると、見つかった不発弾は米国製で、主に約30センチ程度のりゅう弾を中心に黄リン弾なども含まれているという。

 地元住民によると、岡波島周辺では1970年前後まで、海中に残された米軍の爆弾を使ったダイナマイト漁が行われていた。子どもの頃に漁を見たという60代男性は「島には、漁で使うために火薬を抜いた後の砲弾や、火薬が残ったままの砲弾も残されていたと思う。今回見つかったのはそうした砲弾の一部ではないか」と話した。

 岡波島には、100万年前のものとみられるクジラの化石があり、観光スポットになっている。カヤックツアーで観光客が訪れることもある。

 糸満市によると、市は、今回の不発弾回収作業について事前に漁協に伝えていた。一連の作業中に黄リン弾から白煙が出ることもあったものの、自衛隊が危険を除去する対応をとったという。けが人などは出ていない。

 島では2005年に大量の不発弾が見つかったほか、12年にもリーフなどで白煙が上がり、不発弾計12発が処理された。その後も「煙が上がっている」といった通報があったため、自衛隊が改めて詳しく調べたところ、砂場や岩場に不発弾が散らばっているのが見つかったという。

 自衛隊によると、一度にこれだけの不発弾を回収するケースはあまりない。沖縄戦で投下された弾薬約20万トンのうち、不発弾となったのは5%の1万トンと推定されている。県によると、2021年度末時点で約1893トン(推定)の不発弾が県内に残されている。