FC琉球、2試合連続の逆転勝ち 松本山雅に2-1、セットプレーから勝利呼ぶ


社会
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 サッカーの明治安田J3第17節第1日の8日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで松本山雅FCと対戦し2―1で逆転勝ちした。2連勝で2試合連続の逆転勝ち。通算成績は7勝8敗2分けで勝ち点を23に、順位を11位に伸ばした。開始早々の前半2分、右サイド裏を破られ、中央へのクロスから先制点を奪われた。その後はパスをつないで何度もゴールに迫ったが、ゴールポストに阻まれるなど無得点に終わり、0―1で折り返した。後半は主導権を握りながら得点できない場面が続いたが、39分にサダム・スレイ、45分に阿部拓馬が得点して逆転した。次戦は15日、富山県総合運動公園陸上競技場でカターレ富山と対戦する。
 

(1)タピスタ
琉球 7勝2分け8敗(23)
 2―1(0―1,2―0)
松本 7勝4分け6敗(25)
▽得点者 【琉】 スレイ(1)阿部(2)【松】 菊井(4)
▽観客 4396人

 【評】2試合連続の逆転勝ちで攻撃力の面でチームの潜在能力の高さを証明する形となった。もどかしい展開が続いていたが最後は決め切った。ただ2試合とも、琉球の右サイド裏や右守備の隙を狙われての失点。次戦以降、同じ過ちを繰り返さない覚悟が求められる。


FC琉球―松本山雅FC 後半45分、逆転のゴールを決める琉球の阿部拓馬(手前)=8日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 阿部拓馬が2得点に絡んで存在感を発揮した。試合時間残り6分。GK田口潤人のボールが前線の阿部へと流れ、うまくタメをつくりながら右の平松昇へパス。平松のシュートからのこぼれ球をサダム・スレイがきっちり押し込んで同点に追い付いた。会場の雰囲気は一変し、両チームのスピード感が一気に上がった。

 逆転弾はセットプレーからだ。富所悠のボールが守備ラインに沿ってバウンドしながら再度、阿部の方向へ。難易度の高いトラップを簡単そうに受け、距離間のない正面にいたGKの動きを最後まで見て、左足のアウトサイドで決める技ありシュートだった。「前半から周りの選手といい距離間でパスをつなげていた。後半は相手が試合巧者だったが、じれずに結果を出せた」と我慢強さが勝ち点3を呼び込んだ。

 アウェーに約300人の熱いサポーターらで乗り込んできた松本山雅と琉球サポーターで応援合戦が繰り広げられ、最後は琉球サポーターを笑顔にする勝利を届けた。次戦は現在1位の富山戦。3連勝できればチームにとって大きな自信となる。

(大城三太)


相手動かし主導権

 喜名哲裕監督(琉球)の話 後半も慌てて前へ行くことなく、相手を動かしながらボールを奪おうという話をした。クロスに対しての中の人数や相手DFラインの間でどの選手がボールを受けるかなどは課題。子どもたちの声援が大きな力になった。
 

サイド変えられた

 霜田正浩監督(松本)の話 1点目は完全に崩すことができたが、(試合を通して)こちらがやろうとしていることを逆にやられた。長いボールでサイドを変えられてしまった。最後の1点は琉球の気持ちが乗り移ったプレー。こちらは後半、ボールを持つ時間が少なかった。