宮古島・保良訓練場の射場を本格運用へ 陸自が射撃訓練を公開 ゲート前では抗議集会も


この記事を書いた人 琉球新報社
完成した覆道式射場で、25メートル離れた的を狙い実弾を放つ自衛隊員=9日、宮古島市城辺の保良訓練場内

 【宮古島】陸上自衛隊宮古島駐屯地は、宮古島市城辺の保良訓練場で9日、市関係者や周辺住民、報道陣らを招き、3月27日に完成した覆道式射場の地元説明会を開いた。射場で実弾、射場の外で空砲を用いた訓練も実施。空砲射撃の際には、保良集落で70デシベルを観測した。同駐屯地は10日の市議への説明が終わり次第、射場を本格運用する予定。

 自動小銃で武装した工作員が自衛隊の検問所を襲撃したことを想定した訓練では、複数の隊員が空砲を撃ちながら襲撃を抑えた。訓練実施場所の付近で109デシベル、訓練場所から約130メートル離れた民家で70デシベルを観測した。

 射場で実施した実弾射撃訓練では、的から25メートル離れた場所から射撃。射場屋内で124デシベル、屋外で55デシベルを観測した。同駐屯地によると、射場の全周は鉄筋コンクリートで囲われており、最大300メートル離れた場所からの射撃訓練ができる。同訓練場で射撃訓練をする際は、空砲は射場外で行うが、実弾射撃は射場以外で行わない。

 地元説明会の開催を前に、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会は同訓練場のゲート前で、全市民を対象としない説明会開催に抗議の声を上げた。同連絡会の清水早子共同代表は保良と七又の住民が対象になっていることについて「住民を分断するような説明会に反対する」とし、全市民に説明するべきだとした。
 (友寄開)