【石垣】北朝鮮の「衛星」発射に備え、防衛省・自衛隊が石垣市南ぬ浜町の人工ビーチ付近の緑地帯に展開している地対空誘導弾パトリオット(PAC3)について、中山義隆市長は10日、防衛省側からあった11日から8月31日までの展開継続申請を許可した。市内で報道陣の取材に応じ「万が一PAC3が発射されても人工ビーチに影響はないということで、市民の安全を優先に展開を認めた」と述べた。
人工ビーチは11日から一般開放されるため、市は海水浴客からPAC3などの関連車両が見えないように、ビーチと展開地の間にあるフェンスに「目隠し」を設置するよう防衛省側に申し入れた。防衛省側は10日、黒色のプラスチック素材でできた「目隠し」をフェンスに設置した。車両などを見えづらくしたが、一部は未設置で、ビーチから車両や隊員が見える状態となっている。
市港湾課によると、3日に防衛省側から市に展開継続の可能性について連絡があった。4~6日に防衛省側、市、沖縄総合事務局石垣港湾事務所の3者の担当者が協議した。市は防衛省側からPAC3が発射された際の影響範囲内に人工ビーチは入っていないため安全面に問題はないとの説明を受けたという。
市は防衛省側に旧石垣空港跡地など他の候補地への移動を検討するよう求めたが、防衛省側は地権者と折り合いが付かないことや周囲に病院などの公共施設があることなどから、短期間で課題を解決するのは難しいとの見解を示し、現在の緑地帯に止まることになったという。
緑地帯は今後、人工ビーチ拡張による護岸工事が予定されており、市は「9月1日以降の延長は厳しい」との認識を示した。
(照屋大哲)