沖尚、猛攻で一挙に9点 KBC衣田、八回につかまる 準々決勝<夏の甲子園2023・県大会>


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沖縄尚学―KBC未来 8回1死一、二塁、先制の適時打を放つ沖尚の仲田侑仁=9日、沖縄セルラースタジアム那覇(小川昌宏撮影)

 第105回全国高校野球選手権記念沖縄大会第10日は9日、沖縄セルラースタジアム那覇で準々決勝2試合を行った。沖縄尚学はKBC未来と戦い、七回までお互い一歩も譲らない無失点の展開が続いたが、八回に沖尚打線が爆発し一挙9得点。コールドで勝ちをつかんだ。宮古と名護の試合は初回に宮古が2点を先制した。宮古の先発、友利洸星と2番手の新里竜正が継投し、2人で計18三振を奪って名護に競り勝った。15日は同球場でウェルネス沖縄―興南、沖縄尚学―宮古の準決勝2試合を行う。

 沖縄尚学が打者一巡の猛攻で一挙9点を奪った。八回1死一塁で玉那覇世生が攻撃の口火を切ると、七回までわずか4安打に抑え込まれていたKBC先発の依田龍斗から、連続9連続安打を放った。沖尚打線は長打ではなく低いライナーを打つことに徹し、好投手を攻略した。

 依田の変化球を中心とした配球に序盤からバットを振らされ、フライとゴロを量産した。沖尚のエース東恩納蒼は直球で押す投球で相手打線につけいる隙を与えず、七回までスコアボードに「0」が並んだ。

 八回1死から敵失で走者が出ると、続く玉那覇が左前打で好機を広げた。打順が回ってきた4番仲田侑仁は「自分がどうにかして打って流れをつくりたいと思った」。タイミングを外されても球を確実に捉えられるよう、ステップを踏まずバットを振った。外角低めの変化球をすくい上げると、中前へと落ちる安打となって1点先制し、均衡を破った。

 その後も沖尚打線は、遠くに飛ばすことより低めの強い当たりを心掛けて白星を引き寄せた。仲田は「(準決勝は)1点勝負の試合となるはずだ。1点をものにして勝つ」と言う。猛打で勝利しても自分たちの野球を見失うことなく、春夏連続の聖地を目指すつもりだ。
 (砂川博範)


KBC、八回暗転 「全力で悔いなく投げた」

沖縄尚学―KBC未来 8回に失点し、マウンドでスコアボードを見つめるKBCの先発・依田龍斗(左)。右は捕手・松田颯太(小川昌宏撮影)

 KBC未来のエース依田龍斗が八回につかまった。変化球主体の配球で初回から的を絞らせず、七回まで沖尚打線を抑えていた。疲労で握力が弱まったことなどから、八回は甘く入ったところを狙われた。「低めに投げれば打たせて取るピッチングで沖尚でも抑えられると思った」と振り返った。

 高校2年時の昨年大会から先発登板し、4強入りを果たす経験もした。今回はそれ以上、さらには甲子園を目指したが、あと一歩届かなかった。それでも「最後まで全力で悔いなく投げ切れた」と試合後はやり切った様子だった。
 (砂川博範)


沖縄尚学
 000 000 09|9
 000 000 00|0
KBC未来

(八回コールド)(沖)東恩納―大城和
(K)依田、福治、松竹―松田
▽三塁打 川満(沖)
▽二塁打 知花(沖)