国頭村、「星空保護区」申請へ やんばる学びの森など村内4カ所が候補地


この記事を書いた人 琉球新報社
国頭村森林公園から見た星空(国頭村森林公園提供)

 【国頭】美しい星空を観光資源として活用すると共に、星が見える夜空を保全しようと、国頭村は「星空保護区」の認定を目指している。申請は2024年度上半期が目標。村は申請に向けた取り組みとして、23年度予算で候補地の照明を改修するほか、住民向けの星空観望会なども予定している。

 星空保護区は、夜空の保護に取り組むNPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」(米アリゾナ州)が認定している。国内では18年に石垣市と竹富町の西表石垣国立公園が初めて認定された。

 村は国頭村森林公園ややんばる学びの森など、星空観望ができる4カ所を候補地にしている。保護区には六つのカテゴリーがあり、自然公園などが対象の「ダークスカイ・パーク」への申請を予定している。

 昨年8月に申請に向けた調査を実施し、夜空の暗さは認定基準を満たした。一方で屋外照明の明るさや、星空の保全に対する住民意識の向上に向けた取り組みなどで課題も見つかった。

 村内は辺土名地区など一部を除き、空から暗さを奪い、野生生物の成長も妨げる「光害(ひかりがい)」の影響が少ない。これまでも村の星空文化を伝えようと星空ガイドの育成講座などが開かれてきた。

 村商工観光課参与で星空案内人の資格を持つ仲栄真智さんは、「地域の人たちにも星空の貴重さを認識してもらい、将来の子どもたちのために保全する取り組みを今始めないといけない」と意気込んだ。
 (武井悠)