「潮乃森」の人工ビーチ、来年5月から一部使用へ 環境監視委で行政から報告


この記事を書いた人 琉球新報社
中城港湾泡瀬地区環境監視委員会であいさつする有住康則委員長=11日、那覇市の沖縄産業支援センター

 沖縄総合事務局と県は11日、那覇市の沖縄産業支援センターで、中城湾港泡瀬地区の埋め立て事業に関する環境監視委員会(委員長・有住康則琉球大学名誉教授)の2023年度初会合を開いた。沖縄市が事業を進めている東部海浜開発地区「潮乃森」の人工ビーチの一部使用案を報告した。24年5月から9月の間、毎週日曜日の午前8時から午後6時まで一部が使用できる見込み。

 人工ビーチの一部使用区域は40メートル×270メートルの範囲で、ソーラービーチハウス、更衣室などが設置される。BBQスペースやビーチサッカーコートなどスポーツエリアもある。

 人工ビーチには絶滅危惧種のコアジサシの飛来・営巣が春先から7月末ごろまで確認されており、使用される砂浜部分にはブルーシートを張るなど営巣防止対策を施す予定だ。出席委員からは、人工ビーチの砂浜が自然の砂浜と同じ機能を果たすのか今後調査する必要があるという意見があり、県は現在実施中のサンゴ移植調査と関連した調査ができるか検討していくと回答した。

 また、委員会では22年度の環境監視調査結果が報告され、環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅰ類になっている藻類クビレミドロの生育面積は年間最大8100平方メートルで、工事前の調査を基に定めた基準値(9060~1万6750平方メートル)を下回った。21年度に続き減少傾向にあることが報告された。
 (與那原采恵)