世界の、沖縄のサンゴ保全へOISTが新プロジェクト 寄付金で運営、参画者を募集


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OISTのサンゴ礁保全プロジェクトに参画する関係者ら=11日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は11日、これまでの研究成果を生かして沖縄や世界のサンゴ礁の保全や回復に取り組む「OISTサンゴプロジェクト」を始動すると発表した。プロジェクトは、寄付金で運営する方針で、「海の日」にちなんで17日にプロジェクトのウェブサイトを公開し、参画する企業や個人を募る。

 OISTはこれまで、沖縄周辺海域に生息するサンゴ「コユビミドリイシ」の全遺伝子情報(ゲノム)の解読に世界で初めて成功したほか、海水に含まれる微量な粘液からサンゴの種類を判別できる「環境DNA解析法」を開発してきた。

 これらを生かして沖縄各地のサンゴ礁の実態を調査し、各海域の環境に合わせたサンゴの養殖と植え付けを行う。5年をめどにサンゴ生態系の回復を目指す。

 プロジェクト第1弾として、今秋ごろから座間味島近海のモニタリング調査を開始する予定。

 OISTのマリンゲノミックスユニットの佐藤矩行教授は「昔の美しい沖縄のサンゴ礁を取り戻したい。すぐに効果が出るものではないが、長い目で見守ってほしい」と話した。

 現在参画している企業は、NTTドコモ、沖縄観光開発、オセアナ、かりゆし、財前エネシフト、セコム琉球、琉球セメント、りゅうせきの8社。(五十音順)
 (慶田城七瀬)