救急受け入れ先見つからず現場で2時間待ちも コロナ拡大で搬送困難事案 30分以上の待機は96件


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 3~9日にあった県内各消防による救急搬送2362件(速報値)のうち、新型コロナウイルスに感染した患者の搬送先が見つからず現場で最長124分滞在した事案があったことが13日、県防災危機管理課への取材で分かった。県によると、新型コロナウイルスの流行により、重点医療機関23カ所中7カ所が受け入れなどを制限しているほか、一般診療を行う医療機関27カ所中11カ所が予定手術や検査の延期や一部の診療を制限している。

 同課によると、救急搬送人員は1842人(コロナ関連133人)で、出動件数は2362件(同147件)だった。救急搬送困難事例の要件ともなる、搬送先が見つからず現場で30分以上待機した事案は96件(同19件)、最大待機時間はコロナ関連患者の124分で、2023年度では最長となった。新型コロナの流行第7波を経験した昨夏の同時期は、最長150分の現場滞在時間を記録している。

 救急搬送時、病院への受け入れ照会が4回以上となった事案は83件(コロナ関連17件)で、搬送1件の最多照会数は13回だった。

 那覇市消防局では、搬送時の現場待機30分以上かつ、受け入れ照会4回以上となった救急搬送困難事案が前週(6月26日~7月3日)と同じ11件だった。
 (嘉陽拓也)