バスジャック想定し訓練 「刃物を手に乗客を人質に」の設定 警察や消防、バス会社が対応確認 沖縄


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バスジャック訓練で、バス車内で刃物を持つ犯人役=1日、豊見城市の県警運転免許センター

 【豊見城】路線バスが乗っ取られるバスジャックを想定し、初動対応や通報態勢などを確認するテロ対策訓練が1日、豊見城市の県警運転免許センターで行われた。豊見城署と糸満署、豊見城市消防本部、沖縄バスの職員ら約50人が参加した。

 訓練は実際にバスを走らせて実施。路線バスの車内で刃物を所持した犯人が乗客らを人質にバスを乗っ取ったという想定。バス後部の車外電光掲示板に、警察への通報依頼が表示され、駆け付けた警察官がバスを停車させ、車外で犯人を取り押さえ、消防が負傷者を搬送した。

 参加者はおのおの持ち場で通信手段や情報共有、関係機関との連絡態勢など、対応策を確認した。

 沖縄バスは事業所内に対策本部を設置し、対応に当たった。訓練でバスを運転した同社の永峯健司さん(55)は「マニュアルなどを基に社内で訓練を行い、対応を想定してきた。実際に運転したことで、より対策を身近に感じることができた」と話した。豊見城署の玉城友也刑事官は「訓練で終わりではなく、関係機関で課題を情報共有し、連携を図っていく必要がある。今後も訓練を重ね、有事への備えに万全を期したい」と講評した。

(高辻浩之)