日常的に呼吸管理やたんの吸引などの医療行為が必要な医療的ケア児について、児童と家族を支援する県医療的ケア児支援センターが28日、那覇市寄宮の沖縄南部療育医療センター内に開設する。宮平道子子ども生活福祉部長が19日、定例の記者懇談会で発表した。28日午後1時から、同南部療育医療センターで開所式を行う。
医療的ケア児支援センターは、沖縄肢体不自由児協会が業務を受託している。専門知識を持つコーディネーター2人と医師が常勤し、午前9時から午後5時まで相談に対応するという。
県障害福祉課によると、県が把握する医療的ケア児は今年4月時点で468人。県内17市町村に計51人のコーディネーターが配置されている。ただ、沖縄肢体不自由児協会の前川辰子理事によると、ケア児の成長や症状は「個別性が高くマニュアル通りに行かない」ため、各市町村は手探りで支援している現状があるという。
医療的ケア児への直接的な支援は各自治体や関係機関が担うが、県の支援センターが好事例を各自治体で共有したり、ケア児に対応する保育園や学校などの情報を一元化したりすることで、市町村でばらつきがある支援レベルの向上が期待される。
宮平部長は「当事者は開設を期待して待っている。広く周知するとともに、意見を聞いて支援につなげる体制をしっかり整えたい」と語った。
県医療的ケア児支援センターの問い合わせは098(894)6820。
(嘉陽拓也)