北大東レーダーは「基地」 通信局舎や火薬庫も整備 防衛省が住民説明会


この記事を書いた人 琉球新報社
自衛隊の移動式警戒管制レーダーの配備に関する説明会に参加する住民ら=20日午後6時半、北大東村の村人材交流センター

 【北大東】北大東村への航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備について、防衛省は20日夜、住民向け説明会を同村中野の村人材交流センターで開催し、島の北東部と南部の村内2カ所をレーダー部隊の基地の候補地として検討していることを明らかにした。資料に基地と記載し、隊庁舎地区と管制レーダーなどを配備する監視地区2カ所を主要基地となる北東部に整備、南部に地上電波測定装置などを配置する監視地区を整備する計画を明らかにした。

 説明によると、施設規模は北東部と南部の村有地計約8ヘクタール。北東部の隊庁舎地区には、事務を行う庁舎や居住のための隊舎、体育館のほか、火薬庫を整備する。監視地区は隊庁舎地区を挟んで2カ所に分かれ、移動式警戒管制レーダーのほか、戦術データ交換システム、通信局舎、鉄塔などを設置する。

 南部は地上電波測定装置を配備、通信局舎や鉄塔を設置する。

 南西航空方面隊から30人程度の駐留を予定。基地内の隊舎や外の宿舎に居住する。基地の外で必要となる宿舎は今後、検討していく。

 説明会には沖縄防衛局の森広芳光企画部長らが出席した。北大東村の宮城光正村長は、村民用の席に座った。

 防衛省は「太平洋に進出する周辺国の航空機などへの警戒監視は喫緊の課題だ。太平洋側に隙のない警戒監視、情報収集態勢を構築するため、北大東島へのレーダー配備をしたい」と説明した。

 希少動植物への配慮や使用される電波についての説明もあった。携帯電話などの電波と同じ周波数帯として「細胞を直接傷付ける可能性がある電磁波ではない」とした。

 住民からは「配備により標的にされるのではないか」という懸念の声があった。また「住民への説明が遅い」などと、これまで説明会がなかったことへの批判があった。
 (岩崎みどり)