農地の塩害対策が必須 北大東島への警戒レーダー配備で宮城村長 住民説明会受けて会見


この記事を書いた人 琉球新報社
移動式警戒管制レーダー配備に関する説明会を受けて「農地への塩害対策を求める」と話す宮城光正村長=21日午前、北大東村中野の北大東村役場

 【北大東】20日夜に開かれた、航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備に関する防衛省の住民説明会を受けて、北大東村の宮城光正村長は21日午前、会見を開き「国防に必要なら賛成だ」と受け入れる考えを改めて示した。一方、説明会で基地候補地周辺のサトウキビ畑への塩害被害を懸念する声があったことから「農家に賛成してもらわないと進まない」とし、塩害対策が取れない場合は別の用地を探す必要性も示唆した。

 レーダー配備基地の候補地周辺の塩害対策について、宮城村長は「これだけの面積が更地になると農作物への影響が大きい。村は以前にも塩害対策を求めている」と説明、引き続き要望する考えを強調した。

 与那国町で自衛隊の部隊・機能が拡大されていることに関連し、北大東村でもレーダー以外の配備についても村民から懸念の声があったことについては「現時点では考えていない」と前日の防衛省の説明を引きながら、一方で「安全保障の状況の変化次第だろう」との見方を示した。

 2021年12月に村議会が可決した自衛隊誘致に関する意見書では、自衛隊配備により災害の迅速対処と救急患者の搬送の時間短縮ができるとしていた。これらの実現について宮城村長は「厳しい」という見方を示し、配備後に連携を強めることで迅速対応などにつなげる考えを示した。実現に向けた防衛省への要請は「今の段階では考えていない」とした。
 (岩崎みどり)